深夜のカラオケボックスに集まる男たち。トランプタワー企画を持ち込んだ「イベント計画Ami」の面々だ。
黒いいびつな板状のものを取り出し、おもむろにハサミを入れる。
「これくらいのサイズでどう?」
「ちょっと大きい気もするけどそれでやってみよう」
テーブルの上に薄いランチョンマットを敷き腕まくりをする高島。
マイクに手を伸ばす者が誰もいない。そんな不可思議な深夜のカラオケボックス。
神経を研ぎ澄まし、1枚、1枚慎重に組み上げていく。周りの男たちは固唾を飲んで見守る。だが、すぐに崩れてしまう。カードをピラミッド状に積み上げようというのだ。一見、簡単そうだが、やってみると意外と難しい。
身を乗り出し、いろんな角度からのぞきこむ。仕事上がりで疲れ切った体にむち打ち、全神経を集中しカードを1枚ずつ乗せていく。が、またも失敗。何度も組み上げては崩れを繰り返すがあきらめない。ようやく二段目を組み上げる段までいくも、また崩れる。
だが何度目の挑戦になったかわからなくなってしまったが、どうにか最後の一手までこぎつける。残すところピラミッド最後の1組を乗せるのみ。息をとめ、ありったけの集中力を注ぎ込む。周りの男たちは、彼の一挙手一投足を注視する。最後の1組のカードをビラミッド最上段に乗せ、支えていた手をゆっくりと離す。ピラミッドは倒れない!ついに完成。みなで感動を分かち合い、互いに抱き合う男たち。その刹那、高島が見せたあふれんばかりの喜びの表情を私は一生忘れないだろう。
このカードの正体こそ、他ならぬ「こんぶ」
こんなにも真剣に集中して取り組む彼の姿を見るのは初めてかもしれない。もしこれだけの集中力を高校受験の時に発揮できてたなら、また違う人生もありえたのではないか、ふとそんなことを考えてしまった。
これぞ「こんぶ」の力。
こんぶの不思議体験記
今回、彼らが準備したコンテンツは、こんぶをカード状に切ったものをピラミッド状に組み上げていく競技。名付けて「トランプタワー」。はからずもどこぞの大統領の名を冠したキャッチーなネーミングセンスはGood。
制限時間内に積み上げた高さを競うという当初案は難易度が高いことが判明。結果、未だ競技の詳細については検討段階という悩ましいお知らせに。イベント当日までにはまだ時間がある。それまでにより楽しめるコンテンツになるよう、日々、研究にあけくれる彼らであった。
「北海道こんぶDay」2017年11月19日 道新Do-BOX(11:00〜1630)
トランプタワーチャレンジは、当日、常時受付てます。
トランプタワー「崩し」にいそしむのも一興。
気になる方はぜしっ!
(鶴島)
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